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高森明勅
2012.7.14 09:53

イジメ私感

私には3人の子供がいる。

彼らが小・中学生だった頃、イジメについて3点、言い聞かせていた。

(1)イジメは弱虫がやることだ。絶対にするな。

(2)友達同士じゃれあうのはいいが、これは自分がイジメを受けている、しかも自分の手には余りそうだと感じたら、
すぐ俺に知らせろ。ぐずぐずしていたら、エスカレートして、
相手も自分で自分を止められなくなる。
俺に言えば必ず解決してやる。
それが相手の為にもなる。

(3)周りでイジメを見かけた時も、自分で助けてやれそうなら、
助けてやれ。
自分では無理だと思ったら、俺に教えてくれ。
俺が必ず解決してやる、と。

幸い、我が家の子供たちから、イジメの相談を受けることはなかった。

3人の誰も小・中・高校でイジメらしきものを全然受けなかったとは考えにくいので、些細なトラブルは、
それぞれ自分で解決したのだろう。
社会に出てもイジメはある。

だから、子供のうちに耐性を身に付けておくことが大切だ。

まぁ我が家の場合、母親が猛烈に厳しいので、小学校に上がる前から、ある程度、鍛えられていたとも言えよう。

それでも子供は子供だ。

限度を越えたら、大人が出ていく必要がある。

そんな時、一番頼りになるべきなのは当然、親だろう。

特にイジメのような場合、父親の責任は重いと考えていた。

だから、父親に相談すれば必ず解決してくれる、という信頼感を与えておきたかった。

その為には、自分でもかなり腹を固めていた。

子供の性格にもよるだろうが、我が家の子供たちの場合、そうした安心感があれば、すぐ私に泣きつくのではなく、
自分でやれるところまで、困難に立ち向かっていけると信じていた。

教師は何十人もの子供たちを相手にしている。

その子供たちと接するのも、学校にいる間だけだ。

寝食を共にしている訳では勿論、ない。

しかも、こう言っては語弊があるかも知れないが、所詮は「商売」だ。

我が子を、最後まで責任を持って、育て、守るのは、親以外にない。

そう思って、これまで子供たちと向き合って来た。

その気持ちは、3人の子供たちがよちよち歩きの社会人になったり、大学に通うようになった今も、変わらない。

もとより、子供の成長に伴って、親の「守備」位置が次第に後ろに下がっていくのは、当然だとしても。 
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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